【てんかんの基礎知識】「全般」と「焦点」の違いとは?支援者が知っておくべき発作の分類と観察ポイント
【てんかんの基礎知識】「全般」と「焦点」の違いとは?支援者が知っておくべき発作の分類と観察ポイント
障害福祉サービスの現場で働いていると、「てんかん発作」に遭遇することは珍しくありません。
しかし、利用者の記録や申し送りをする際、
「なんかビクッとなって倒れました」
「ぼーっとしていました」
といった曖昧な報告になっていませんか?
実は、てんかんはその「発作の始まり方」や「意識の状態」によって細かく分類されており、それがどのタイプかによって治療方針や薬の種類が全く異なります。
今回は、少しややこしい「てんかんの分類(全般・焦点)」について、現場の支援者が知っておくべきポイントを整理して解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL46から抜粋して作成しています。
講師は、日本てんかん学会 評議員 および同学会 専門医/指導医であり、川崎医院 院長の川崎 淳(かわさき じゅん)先生です。

てんかんとは?「発作」以外の症状にも注意
まず、てんかんの定義ですが、「てんかん発作を繰り返し起こす、慢性の脳の病気」です。
最も目立つ症状は「発作」ですが、支援者として押さえておきたいのは、以下のような合併症が多いという点です。
- 神経障害:知的障害、高次脳機能障害、麻痺など
- 精神症状:うつ、精神病症状、心因性発作など
「最近元気がない」「イライラしている」という様子も、実はてんかんに関わる症状や、薬の副作用である可能性があるため、発作以外の変化にも注意が必要です。
発作の分類①「脳のどこから始まるか」
てんかんの分類が難しいと感じる最大の理由は、専門用語が多いからでしょう。
しかし、大きく分けると「脳のどこから電気が走ったか(発作が始まったか)」で2つに分けられます。
1. 全般起始発作(全般発作)
発作の最初から、脳全体がいっぺんに興奮して起こる発作です。
最初から意識を失って倒れたり、全身が痙攣したりするケースが多く含まれます。
2. 焦点起始発作(焦点発作)
脳の一部分(焦点)から興奮が始まる発作です。
「右腕だけがピクつく」「急に懐かしい匂いがする(幻臭)」など、脳のどの部分が興奮したかによって症状が異なります。

発作の分類②「意識はあるか?広がり方は?」
現場の観察で特に重要なのが、この「焦点発作」の広がり方です。
「一部分から始まった発作」がその後どうなるかで、さらに呼び名が変わります。
- 焦点意識保持発作
- 脳の一部だけの興奮に留まり、意識はハッキリしている状態。
- (例:片腕だけが痙攣しているが、呼びかけには答えられる)
- 焦点意識減損発作
- 興奮が少し広がり、意識がなくなる(または曇る)状態。
- (例:ぼーっとして動きが止まる、口をもぐもぐさせる、うろうろ歩き回るなど)
- 焦点起始両側強直間代発作
- 最初は一部分から始まったが、最終的に脳全体へ広がり、全身の激しい痙攣に至る状態。
支援者の「観察」が診断の鍵になる
特に「焦点起始両側強直間代発作」は、最終的に全身痙攣になるため、パッと見は「全般発作」と区別がつきません。
しかし、「最初は右手がピクピクしていた(焦点)」のか、「いきなり全身が硬直した(全般)」のかによって、診断と薬が変わります。
だからこそ、支援者が「発作の出だし(初期症状)」を見逃さないことが極めて重要なのです。
病名としての「てんかん分類」
これらの発作のタイプに加え、発病年齢や脳波検査の結果を総合して、最終的な「てんかんの病形(タイプ)」が決まります。
- 全般てんかん:全般発作を持つタイプ
- 焦点てんかん:焦点発作を持つタイプ
- 全般・焦点合併てんかん:両方の発作タイプを持つタイプ
多くは「全般」か「焦点」のどちらかですが、中には両方を持つ方もいらっしゃいます。
利用者様がどのタイプなのかを知っておくことは、リスク管理上とても大切です。
まとめ:正しい観察眼が、適切な医療につながる
てんかんの分類は複雑ですが、現場の支援者に求められるのは正確な病名を当てることではありません。
「意識はあったか?」
「体のどこから震え始めたか?」
「いきなり倒れたか、予兆があったか?」
こうした事実を正確に観察・記録し、医師に伝えることが、利用者様の治療を前進させる最大の支援になります。
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