【三田市監禁事件の深層】なぜ父親は施設入所を拒んだのか?「檻に入れるほうがマシ」と思わせた福祉の敗北

【三田市監禁事件の深層】なぜ父親は施設入所を拒んだのか?「檻に入れるほうがマシ」と思わせた福祉の敗北

兵庫県三田市で発覚した、障害者監禁事件。
前回までは行政の対応不備について解説してきましたが、今回は「なぜ、家族は福祉サービスを使わなかったのか」という、事件の根幹に迫ります。

検証報告書や関係者の証言から浮かび上がってきたのは、「施設への深い不信感」と、父親の「歪んだ愛情」という、あまりにも悲しい現実でした。

この記事は、スペシャルラーニングのSL158から抜粋して作成しています。

講師は、元独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の研究部長であり、特定非営利活動法人PDDサポートセンター グリーンフォーレストの理事長の志賀 利一(しが としかず)先生関西福祉大学社会福祉学部教授の谷口 泰司(たにぐち たいじ)先生です。

2歳で「重度」判定。それでも地域から消えた理由

被害者である男性は、わずか2歳で「重度の知的障害」という判定を受けています。
通常であれば、これだけ早期に診断されていれば、児童施設や療育機関、成人してからは入所施設へとつながるルートがあるはずです。

しかし、彼は福祉の網から漏れてしまいました。
その背景には、1979年の養護学校義務化という時代の過渡期に加え、「卒業後の行き場がない」という当時の社会資源の不足がありました。

家族は「学校を出たら、あとは家庭で見るしかない」と覚悟を決めざるを得ない状況に追い込まれていたのです。

見学で感じた絶望。「施設より自分の方がマシだ」

しかし、父親は最初から座敷牢に入れようとしていたわけではありません。
息子の将来を案じ、関西圏の障害者施設を2箇所ほど見学に訪れています。

そこで父親が目にしたのは、期待を裏切る光景でした。
当時の施設職員の利用者への関わり方を見て、父親はこう感じたといいます。

「ここでは無理だ。こんな施設に預けるくらいなら、自分たちの方がより丁寧に息子と関われる」

父親は、プロであるはずの施設職員の対応に失望し、「施設に入れるよりも、自分たちで見たほうが幸せだ」と判断してしまったのです。

その結果が、「2日に1回は檻に入れる」という異常な生活であったとしても、父親にとってはそれが「雑な扱いの施設に入れるよりは、愛情のある選択」だったのかもしれません。
これは、当時の福祉施設が「選ばれる質」になかったことによる敗北とも言えます。

写真に残る笑顔。憎しみではなく「歪んだ愛」

この事件を単なる「虐待」として片付けられない難しさは、そこに父親の愛情が存在していたことにあります。

関係者が父親から見せてもらった写真には、大きくなった息子と父親が肩を組み、外出先で笑顔で写っている姿がありました。
決して息子が憎くて監禁していたわけではないのです。

「愛しているからこそ、信頼できない社会には渡さない」

その強い責任感と愛情が、社会への不信感によって歪み、20年以上もの監禁生活という最悪の結果を生んでしまいました。

まとめ:選ばれる施設になるための「質」が問われている

この事例は、現代の私たち福祉事業者にとっても他人事ではありません。

もし当時、父親が見学した施設が、心から信頼できる素晴らしい支援をしていたら?
「ここなら息子を任せられる」と安心させるだけの対応ができていたら?

この事件は起きていなかったかもしれません。
「家庭で抱え込むよりも、ここに来たほうが幸せになれる」と家族に思わせるだけの「支援の質」が、私たちには問われています。

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