【障害福祉のこれから】制度は「措置」から「契約」へ変わった。しかし、あなたの支援は本当に「利用者主体」になっていますか?
【障害福祉のこれから】制度は「措置」から「契約」へ変わった。しかし、あなたの支援は本当に「利用者主体」になっていますか?
現在の障害福祉において、「利用者主体」「自己決定」という言葉は当たり前のように使われています。
しかし、数十年以上前からこの業界にいるベテラン職員にとって、それはかつて「過激な思想」とさえ呼ばれるものでした。
今回は、長年障害福祉の現場を牽引してきた松上氏の講義より、「措置制度」から「契約制度」への激動の歴史と、制度が変わった今だからこそ問われる「支援の質」について解説します。
この記事は、スペシャルラーニングのSL19から抜粋して作成しています。
講師は、一般社団法人全日本自閉症支援者協会の会長であり、社会福祉法人北摂杉の子会の理事長の松上 利男(まつがみ としお)先生です。

20代で感じた違和感。「行政が人生を決める」措置制度
かつての日本の障害福祉は、「措置制度」でした。
「措置」とは行政処分のこと。つまり、障害のある人がどこの施設に入り、どんな支援を受けるかは、すべて行政(お上)が決めていました。そこに本人の意思が入る余地はほとんどありませんでした。
「利用者が決めるべきだ」という主張への反発
当時20代だった松上氏は、「行政が人の人生を決めるのはおかしい。利用者が自己決定すべきだ」と主張しました。
しかし、当時の業界の常識からは外れたその考えは、周囲から「生意気だ」「過激派だ」とレッテルを貼られる原因となりました。
38歳で施設長に就任した後も、陰口を叩かれたり、会議でいびられたりと、古い体質との戦いは続きました。
育成会会長からの「あんた嫌いや」。対立から信頼へ
変革の難しさを象徴するエピソードがあります。
当時、京都の手をつなぐ親の会(育成会)の会長とばったり会った際、面と向かって「私はあんたが嫌いや」と言われたそうです。
若くして改革を叫ぶ姿は、親の世代にとっても脅威だったのかもしれません。
しかし、松上氏はそれを「自分のことを知ってくれているんだ」と前向きに捉え、信念を持って実践を続けました。
その結果、関係は徐々に変化します。やがて会長から個人的な相談を受けるようになり、一緒にお酒を飲む「同志」のような関係へと変わっていきました。
「利用者主体」という信念は、時間をかけて周囲の信頼を勝ち取っていったのです。

制度は変わった。しかし「支援の実態」はどうか?
そして時代は流れ、平成15年の支援費制度導入以降、福祉は「措置」から「契約」へと大きく転換しました。
障害のある人は「措置される対象」から、「サービスを選び、契約する権利の主体者」へと変わりました。
しかし、松上氏はここで鋭い問いを投げかけます。
「制度は変わったけど、本当に現場の支援は変わったのだろうか?」
法律上は契約になっても、現場の職員が「利用者は支援してあげる対象だ」「こちらの言う通りにさせるべきだ」という措置時代のマインドを引きずってはいないでしょうか?
「ニーズ中心の支援計画」と言いながら、実際は事業所の都合に合わせた計画になっていないでしょうか?
これからの福祉は「意思決定支援」の積み上げ
制度の形だけでなく、実態も「利用者主体」に変えていくために必要なこと。
それは、「意思決定支援」の実践です。
利用者が本当に望んでいることは何か。言葉にならない声をどう汲み取り、自己決定をサポートするか。
このプロセスを丁寧に積み上げていくことこそが、これからの障害福祉に求められる「あるべき姿」です。
まとめ:過去を知り、未来の支援を作る
「措置制度」の時代を知ることは、現在の「契約制度・利用者主体」のありがたみと重みを知ることです。
私たちは、先人たちが苦労して勝ち取ってきた「自己決定の権利」を、現場の都合でないがしろにしてはいけません。
- 本当の意味での「利用者主体」とは何か?
- 意思決定支援をどう計画に落とし込むか?
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