【ASDの診断基準】チェックリストだけで判断してはいけない理由。「知的障害」との合併率はどれくらい?

【ASDの診断基準】チェックリストだけで判断してはいけない理由。「知的障害」との合併率はどれくらい?

「あの先生は自閉症だと言ったけど、こっちの先生は違うと言う…」
セカンドオピニオンで診断が変わる、という話を聞いたことはありませんか?

医師の主観による「診断のばらつき」を防ぐために、現在は世界共通の「診断基準」が用いられています。
しかし、その基準をクリアするかどうかだけが、支援のすべてではありません。

今回は、ASD診断の裏側にある「基準の仕組み」と、切っても切れない「知的障害との関係」について解説します。

この記事は、スペシャルラーニングのSL176から抜粋して作成しています。

講師は、元ハーバード大学医学部精神科・マクリーン病院の医師であり、精神科・児童精神科医師/博士(医学)であり、よこはま発達クリニックの副院長である宇野 洋太(うの ようた)先生です。

診断の「ばらつき」を防ぐDSM-5とICD

現在、医療現場で主に使われている診断基準には以下の2つがあります。

  1. DSM-5(アメリカ精神医学会)
  2. ICD(WHO・世界保健機関 ※現在はICD-10から11へ移行中)

これらは、「以下の項目のうち○個以上当てはまる場合」といったチェックリスト方式になっています。これにより、どの医師が診てもある程度同じ診断ができるようになりました。

3つから2つへ?

前回の記事で「三つ組みの特性(社会性・コミュニケーション・想像力)」を紹介しましたが、最新のDSM-5などでは、医師が診断しやすいようにカテゴリーが整理されています。

  • 「社会性」と「コミュニケーション」を統合
  • 「こだわり(反復行動)」

この2つの大項目でチェックを行うのが現在の主流です。
(※ただし、支援者が利用者を理解する上では、従来の「三つ組み」の視点の方が分かりやすい場合も多いです)

診断がつかなくても「困っている」なら支援は必要

ここで、支援者が絶対に知っておくべきポイントがあります。
それは、「診断基準を満たさない=支援が不要」ではないということです。

  • 特性が明確(基準をフルに満たす)でも、環境に恵まれて困っていない人。
  • 特性はグレーゾーン(基準に1つ足りない)だが、周囲の理解がなく苦しんでいる人。

診断はあくまで「書類上の区分」には必要ですが、現場で大切なのは「その人が今、困っているかどうか(支援ニーズ)」です。
「診断がつかなかったから大丈夫」と突き放すのではなく、困り感に寄り添う姿勢が求められます。

ASDと「知的障害」の違いと合併率

また、現場でよく混同されるのが「知的障害」との関係です。
ASDのある方の知的な状況は、概ね以下のような割合だと言われています。

  • 知的障害あり:約50%
  • 境界知能(支援が必要なグレーゾーン):約20%
  • 知的障害なし(高機能):約30%

つまり、ASDの方の約7割は、何らかの知的なサポートも必要としている計算になります。

どうやって見分けるの?

「知的障害」は、全般的な発達の遅れです。
例えば、実年齢が10歳でも、知能が5歳程度の場合。
その子の行動(興味や対人関係)が「一般的な5歳児」と同じであれば、それは知的障害の特性です。

しかし、「5歳児の発達段階」と比較しても、さらに対人関係が独特だったり、こだわりが強すぎたりする場合
そこで初めて「ASDも合併しているのではないか」と判断されます。

まとめ:複雑な特性を紐解くプロになろう

ASDの診断は、知的障害の有無や個人の性格も絡み合い、非常に複雑です。
「診断名」というラベルを貼って終わりにするのではなく、その中身(構成要素)を正しく理解することが、適切な支援への第一歩です。

障害福祉の研修動画サービス「スペシャルラーニング」では、

  • DSM-5に基づく診断基準の詳しい解説
  • 知的障害を伴うASDの方への具体的な支援(強度行動障害など)
  • 境界知能(IQ70〜85)の方が見過ごされがちな困りごと

など、一人ひとりの「違い」に合わせた専門的な支援スキルを動画で配信しています。
ラベルの向こう側にいる本人を理解するために。ぜひご活用ください。

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